ロケットマン
映画『ロケットマン』を観てきました。
2019年製作の世界的ミュージシャンのエルトン・ジョンの自伝的映画です。
邦題が原題のままで、説明的なタイトルに変えられてないあたりがいいですね。
なんか長くなったので目次つけますね。
- エルトン・ジョンを知ったきっかけ
- とにかく歌う。俳優本人が歌う。
- 作詞のバーニーとの関係
- 利益が減るの覚悟で優先した描写
- 母と祖母
- あの!!!私が大好きな映画との!!!!つながり
エルトン・ジョンを知ったきっかけ
私は音楽の知識がえらい狭いので、エルトン・ジョンのことはThe X Factorという音楽オーディション番組(ワンダイレクションがこっから出てきたので知った)で女の子がyour songを歌ってて、それで知りました。良い曲だなーと思ってもとの曲を聴いてみたら、やっぱり良い曲でした。
Janet Devlin's audition - The X Factor 2011 (Full Version)
そのためエルトン・ジョンの曲はyour songしかほぼ知らないという状態でしたが、あの曲を映画館で聴けるだけでも行く価値ありだと思って観に行きました(^^)
実際に映画を観たら、他にも聴いたことあるわー!って曲がいくつもありましたね。
(以下たぶんネタバレあり)
とにかく歌う。俳優本人が歌う。
とにかく歌います。
しかもエルトン・ジョン役の俳優さんが歌っているのです。
天才ミュージシャンの役を自分の歌唱力で演じきれる俳優さんって実在するんだなあと思いました。
子ども時代のエルトンや家族たちにも歌唱シーンがあり、歌がいっぱい聴けました。
父親クソだと思ったけど歌で事情を聞いたら情がわいてしまうので危険ですね。いやでもやっぱひどかった。不器用ですからではすまされない…
話戻りますがエルトン役のタロン・エジャトンさんの歌声がすんごいです。
この映画において本人が歌ってるというのは、なんかとても重要な気がします。
your song誕生の瞬間なんて、謎の涙が出ました。隣に座ってた人も泣いてましたね。
こんな詞をもらったら、惚れてまうやろですね。
作詞のバーニーとの関係
作詞もエルトンがやってたと思ってた人も多いらしいのですが、詞の多くはバーニーという人がやってたそうで、詞が先にできて、それにエルトンが音楽をつけるというスタイルだったようです。
「読んだ途端に 曲が浮かんで
— 『ロケットマン』公式 (@Rocketman_JP) September 16, 2019
音がどんどんあふれ出た。
…指が追いつかないほど。」#エルトン・ジョン #バーニー・トーピン#ロケットマン #大ヒット上映中 pic.twitter.com/a4sxBkUIhx
音楽的に素晴らしいコンビでいつもそばにいないといけないんだけど、エルトンは恋愛的な意味でもバーニーに惚れてて、バーニーはそれがわかってるんだけど応えることはできなくて、でも今日も一緒に曲作るみたいな、羨ましいんだか倒錯的なんだか。切ない通り越して見ててしんどい時もありました。
ミュージカル的に盛り上がるシーンもたくさんあるのですが、エルトンにいつまでも孤独がつきまとったり、自分で自分を痛めつけるような、しんどいシーンもたくさんあります。しんどくなればなるほどエルトンのステージ衣装が派手になっていくのもまたしんどい。実際にエルトンがロケットで打ち上げられるイメージ映像もあるのですが、完全にまわりに打ち上げられたという印象で、エルトン個人の気持ちと聴衆の盛り上がりが乖離する象徴のような映像で、つらかったです。
素敵な作品を作る人には、誰よりも幸せでいてもらいたいですよ。
利益が減るの覚悟で優先した描写
利益重視で作らなかったという、エルトン役のタロンさんのインタビューがありました。この映画には男性同士のラブシーンやドラッグ描写があり、そこを削るともっと色んなところで公開することができて利益も上がっていただろうけど(ていうかそれがあると公開しない国ってどこだ今時)、そうはしなかったそうです。 たしかに映画を観ていると、上に書いたとおり見てて苦しくなるような内面の描写が多く、ドラッグや過食の描写もあるし、映画としてはそんなに大衆向けではない気はしました。エルトン・ジョンの音楽とタロンさんの歌声がすごすぎたせいか、ちょっと歌を入れすぎててその都度物語の進行が停滞するような印象もありました。歌詞でがっつり心理描写入れてくるので、小説…?みたいな気もしましたし。
でもこの映画で公開できる場所が狭まるような描写を取り除くと、エルトンさんはこんな凄い人でした!って映画になりかねないし、そうすると彼を強制的に打ち上げてたこととやってることが変わらなくなる気がするので、どれも必要のある描写だったと思いました。
【カンヌ国際映画祭での10分間ものスタンディング・オベーションが話題】
— FRaU(フラウ) (@frau_tw) August 24, 2019
「利益重視で僕たちは本作を作らなかった。商業目的でこの物語を語らなかったことをとても誇らしく思います」
映画『#ロケットマン』の主演 #タロン・エジャトン インタビュー公開!#エルトン・ジョン https://t.co/YlOhuNMLqk
母と祖母
気になったのがエルトンのお母さんとおばあちゃん。
劇中何度もエルトンの「自分は誰にも愛されていない」という独白があるのですが、そのたびに「え、おばあちゃんは…?」と思ったのはたぶん私だけでないはず。
おばあちゃんけっこう好意的だったし助けてくれてた気がしてたんですがノーカウント?そういうことではないの??おばあちゃんには自分が同性愛者だと告白していないから、本当の自分を愛してもらえてるとは思えなかったてことなのかな。
あと母親ですね。たしかに呪いとも言えるひどい言葉を浴びせますが、みんなが聴いてイェーイってなるような音楽をエルトンに教えたのは母親(とその彼氏)だし、何よりお店で歌うエルトンを観にみんなでやって来て、笑顔で拍手していたではないですか。まったく愛情ないわけではないと思ったのですが。(エルトンが世界的ミュージシャンになってからは輪をかけてクズでしたが…。)
それともエルトンの音楽が個人的な好きとか嫌いとかっていう感情を超えて届いてしまうくらいに良いってことなんでしょうか?
というか自分の全部受け入れてもらうとか知ってもらうって、誰にとってもそうとう難しくないですかね…
Cast Of "Rocketman" - Saturday Night’s Alright (For Fighting) (Extended Number)
あの!!!私が大好きな映画との!!!!つながり
個人的・衝撃はエンドロールで訪れました。
俳優さんのクレジットを見てて、!!!!????ってなったこと、それは
バーニー役がジェイミー・ベルだったこと(^^)(^^)(^^)
わたしがおすすめの映画あるかと聞かれてまず渡すのが『リトルダンサー(原題ビリー・エリオット)』という大好きな映画なのです。この主人公の少年ビリー・エリオット役がまさにジェイミー・ベル。
大好きな作品なのに今回劇中でバー二ーが何年後かのビリーであることに気がつけなかった言い訳としては、比較的ビリー役の時は険しい表情が多めだったんですよね。ゆえにたまに笑った時にかわええー!ってなるんですが。バーニーは比較的人間ウエルカムな柔らかい表情でしたよね。
いやーバーニーよかったよねー
登場した時から、あっこいつたらしだな!って思いましたよねー
さらに終わらないロケットマンとリトルダンサーのつながりと言えば、ミュージカル版のビリー・エリオットの音楽監督がエルトン・ジョンなんですよ。映画版で主人公のビリーに恋するマイケルという少年が出てきて、映画の中でも大好きなんですが、ミュージカル版のライブ映像を観に行ったとき、映画以上にマイケルにスポットが当たってるなと思ったのを覚えてます。がっつりマイケルに曲が与えられてたし、チャーミングでより目立つキャラになってましたね。今思うとエルトン・ジョンの計らいだったのかも。
『ビリー・エリオット ミュージカルライブ/リトル・ダンサー』
マイケルの気持ちには答えられなかったビリーですが、まさか青年になって今度はエルトン・ジョンを振るとは…。(違)
そんなわけでロケットマンは、リトルダンサー好きとしては観ねば!!という作品でした!っていうかミュージカルのサントラだしてくれないかな!